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2020.08.17

正しい補聴器選び ♯9「難聴の種類」伝音難聴/感音難聴/混合性難聴

難聴は大きく分けると伝音難聴と感音難聴の2つがあります。悪くなっている耳の部位によって聞こえ方も違います。

 

【伝音難聴と感音難聴】

 

 

 

難聴は、「伝音難聴」と「感音難聴」の2つの種類に分けることができます。伝性難聴とは、外耳や中耳における障害によって起こる難聴です。音が内耳まで伝わりにくくなるためこの名がついています。一方の感音難聴は内耳およびそれより奥の神経の障害によって起こる難聴で、音を感じられなくなります。この両難聴は全く違った性質の難となります。そのため自分の難聴がどちらであるのかを知ることも大切です。なお、伝音難聴と感音難聴のどちらもある場合は「混合性難聴」と呼びます。難聴の性質としては両者は混ざったものになりますが、どちらの障害の比率が高いかによって違った性質になります。慢性中耳炎のように1つの病気が原因で混合性難聴になることもあれば、別々の障害によってなることもあります。

 

 

【伝音難聴は外耳と中耳の障害で起こります】

 

 

 

伝音難聴は外耳と中耳の障害で起こる難聴です。これらの部分は音を内耳に伝える働きをしていますが、そこに障害が起きて音が伝わりにくくなることからそう呼ばれています。その特徴は、これだけでは高度の難聴にはならないということです。例えば、耳栓をしたり手で耳をふさいでも、大きな音は聞こえてきます。これはなぜかというと、通常、音は外耳と中耳を経由して内耳のリンパ液に振動を伝えていますが、大きな音はこの経路を経なくても直接的に頭の骨を振動させることができ、頭蓋骨の中にある内耳にリンパ液が振動することで音が聞こえるのです。これを骨伝導と呼びます。バケツの水に直接手を入れてかき回さなくても、外側をたたいてやれば波がおきるのと同じ原理です。骨伝導で聞くことができるので、伝音難聴だけでは高度の難聴にはなりません。また、処置や手術などの治療で治る場合があることも伝音難聴の特徴です。もし回復しない場合でも内耳の神経には障害がないので、音さえ大きくなればよく聞こえるようになります。そのため一般的に補聴器がとても役立ち、初めから補聴効果を実感できるケースが多いと思います。

 

 

【感音難聴は主に内耳の神経の障害で起こります】

 

 

 

感音難聴の大半は内耳の障害によっておこるのですが、その奥の聴神経、そして脳の障害でも起きることがあります。伝音難聴との違い、感音難聴はどこまでも聞こえが悪くなってしまう可能性があります。また、伝音難聴では音が伝わらないため低音から高音までほぼ一様に聞こえが悪くなるますが、感音難聴では障害のある部位に応じて、低音域だけ、あるいは高音域だけといった、いろいろなパターンの難聴となります。もっと問題なのは、正常な人がたくさんの有毛細胞で音を感じ取っているのに対し、感音難聴の人ではこの細胞が減ってしまっていることです。ある程度有毛細胞が残っていれば音を感じることはできるのですが、どうしても少ない数の細胞で音を聞き取らなくてはならないために音の鮮明さが失われ、微妙な音の違いを聞き分けられなくなるのです。ですから感音難聴では、補聴器をつけたからといって全く正常な聞こえになるわけではありません。加齢に伴う難聴の多くがこの感音難聴です。

 

※感音難聴については次回詳しく述べたいと思います。

 

 

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