2020.03.30
正しい補聴器選び♯4「補聴器は認知症を防げるか?」
難聴が認知症と強い関連があることが2011年の米国ボルチモアの健康調査の分析から報告されて以来多くのレポートによってその関連性が証明されてきました。※1
2017年には世界的な権威のある医学雑誌のラッセントも認知症うち予防可能な原因の一番に難聴を挙げました。※2
補聴器は認知症を防げるか
難聴と認知症が深い関係にあることがわかってきたのですが、問題は補聴器を使用することで改善もしくは進行を遅らすことができるのかということです。
2018年に発表された米国の論文で2年ごとに18年間にわたり調査(健康と引退調査)を受けた3万4000人のうち途中で補聴器を使い出した2000人余を対象にし、補聴器を使う前と使い出した後の記憶力の違いを調査しました。
すると補聴器を使い出すまでは年ごとに言葉の記憶のスコアが0.1ずつ減少(最初は10.4)していたのにその後はスコアの減少の度合いが0.02と5分の1となりました。同一の人物においては補聴器使用前後での変化をみているため他の要因が入らず、補聴器が認知症の進行予防に有効であることを裏付けするものです。※10
イギリスでは英国長期加齢調査(ELSA)において3000人余の難聴がある人に経過を追ったところ聞こえの正常な人に比べ補聴器をつけている人では記憶評価において低下が認められたのに対して、補聴器をつけている人ではこのような傾向が認められなかったと報告しています。難聴があると認知症が起きやすい理由として社会的な孤立が主な要因かと述べています。※3
認知症の3分の1は予防可能。要因のナンバー1は難聴!
【難聴の3分の1は予防可能】
2017年7月に、アルツハイマー病協会国際会議において、世界で1,2を争う権威のある医学誌『ランセント』が「認知症の予防、介入、対応(※9)」というタイトルで認知症の予防についてのレポートを発表しました。このレポートは世界24名の著名な認知症に関する専門家を集め、多くの研究・調査データを集めて、その中から信頼できると思われるものだけを分析して認知症のリスク因子を検討したものです。その結果、65%は予防では対処できないものの、残りの35%は対応が可能なリスクであると発表しました。
【予防可能なリスクのうち難聴が最大のもの】
その予防可能なリスクでもっとも数値の高かったものが難聴です。55歳以上での難聴を対象としてみた時、全体の認知症の原因の9.1%を占めました(対応可能なものの中では4分の1)。つまり難聴を防ぐことができれば認知症の可能性を9%減らすことができるということです。他のリスク要因として15歳以下の低教育水準(7.5%)、喫煙(5.5%)と続き、以下、抑うつ、運動不足、社会的孤立、高血圧、糖尿病、肥満の9つの要因が認知症との関連を指摘されました。
認知症の予防が可能な要因とそのリスクの度合い
●中年期以後の難聴…9.1%
●15歳以下の低教育水準…7.5%
●喫煙…5.5%
●抑うつ…4.5%
●運動不足…2.6%
●社会的孤立…2.3%
●高血圧…2%
●糖尿病…1.2%
●肥満…0.8%
予防が可能とされる上記要因のリスクの度合いを合計すると35%。残りの65%は個人の努力では変えられない要因となります(認知症予防・介入・治療のためのラッセント委員会の報告から)
※1:Hearing Loos and Incident Dementia : Frank R Lin, E.Jeffery Metter :Arch Neurol.68.214-220.2011
※2:Dementia prevention intervention and care G.Livingstone : the Lancet, July 19, 2017
※3:Association of Cognition and Age-Related Hearing Impairment in the English Longitudinal Study of Ageing Bay.J 2016
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