2022.10.04
正しい補聴器選び ♯16「進化している補聴器の機能①基本偏」
補聴器はプロセッサ(ICチップ)の改良に伴い単に音を増幅するだけではなく、快適に聞き取れるよう進化し続けています。
音を増幅するだけではありません
近年の補聴器はICチップの高性能化に伴い、素早く高度な処理ができるようになりました。(遅い処理では声が遅れて出てきてしまいます)これにより自然な音や声の聞き取りができるようになってきています。
現在では補聴器の性能や価格差は使われている部品(ハード)の性能や数の違いではなく「この補聴器はどんなことができるか」というICチップに書き込まれた処理能力(ソフト)の違いとなっています。
下記に近年の補聴器ができる基本的な技術を述べていますが、それぞれの機能の名称は各メーカーごとに異なっています。更に、似たような機能をうたっていてもメーカーによってその内容や能力が大きく異なっていることもあります。
聞き取りやすくするための4つの基本技術
音を聞き取りやすくするために、デジタル補聴器は主に次の4つのことを行います。
①音を聞き分けて分析・処理をする
補聴器に入ってきた音が会話なのか雑音なのか、それとも音楽なのかを分析して処理をする。
②音を分割して処理をする
音を高さ(周波数)ごとにいくつかに分けて(マルチチャンネル)、その範囲ごとに独立して処理をし、再びそれらを統合することで音を聞き取りやすくしたり雑音を取り除いたりする。
③特定の方向からの音を聞きやすくする
複数のマイクを使い、音の入る時間差を利用することでどちらから来た音なのか分析し、特定の方角から音を聞きやすくする(指向性)。
④無線(ワイヤレス)を利用する
無線を使って聞き取りの難しい環境でも明瞭な音が入るようにする。
言葉と雑音を区別して処理します
近年の補聴器は音を聞き分けて、それが雑音なのか、人の声なのか、さらには音楽なのかも聞き分けられるようになってきました。
人の声や会話には特徴的なリズムや強さの変化があります。また音楽にも特徴的な音の変化があります。一方、雑音には会話や音楽のような揺らぎがないため区別ができます。
マルチチャンネルや指向性などと組み合わせて音の成分を分類することで、人の声はそのままに、雑音だけを減らして聞きやすくすることが可能です。
“チャンネル”や“バンド”とは?
近年の補聴器は、まず補聴器に入ってきた音を音の高低(周波数)ごとに分割してそれぞれで音の処理を行い、また最後にそれらを統合するということをしています。
一般的に“チャンネル”や“バンド”はこの分割する数を表しています。例えば8チャンネルでは、音を8つに分割して処理をします。チャンネルとバンドの表現は各メーカーによって異なりますが、多くの場合はほぼ同じものと考えてよいでしょう。ただし使い分ける場合もあり、入ってくる音をまとめて出力処理をする数をチャンネルで表すことが多いようです。
なぜマルチチャンネルが必要か?
入ってくる音をたくさん分割して処理するほど、その帯域(音の高さ)に入っている雑音を消すなどの処理がきめ細かくできるのですっきりとした音にすることができます。
例えばチャンネルが多ければ多くの帯域の中から雑音のある部分だけを抑えることができますが、もしこれが2つだけの場合、雑音が入ってきた時に半分の音が抑制されてしまいます。
雑音を減らす以外にも、マルチチャンネルでは補聴器から出す音の大きさの調整もしています。音の大きさに対する感覚が低音部と高音部では、また難聴の程度によって異なります。そこで、音を大きくする度合いを高さごとに加減して大きな音でも小さな音でも聞きやすくしています。この場は細かく分けて処理をする必要はありません。
チャンネル数が多いほど良い?
一般的にチャンネル数が多いほど細かい処理ができるため、同一メーカーの中では数が多くなるほど高額になる場合があるます。
ただ、メーカーごとで処理をする内容は異なっていますので、単純にチャンネルの数だけでは異なるメーカー間の優劣は判断できません。チャンネル数が増えるとそれだけ処理しなければならない数も増えるため、処理回路にかかる負担も大きくなってきます。
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